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■柄について

生地全体に配された柄によって印傳は独特の雰囲気を作り出しています。繊細で優雅なこの柄は「江戸小紋」と呼ばれています。

「江戸小紋」はもともと男の柄でした。裃小紋(かみしもこもん)とも呼ばれていたように裃(武士の正装)から発達したもので江戸初期には技法は完成していました。当時の柄は今のように小さな物ではなく、わりと大柄の物もあったようです。  ところが戦争もなく、外国からの刺激も少ない平和な江戸中期には、裃の小紋柄をより小さく細かくすることを各藩・各武士が競い合いました。

職人は江戸を中心に集まり、職人同士も競争しながら、じっとそばで見ないと判らないような細かな柄を生み出していきました。力のある藩は定柄を作り、大名は留柄(とめがら)とも呼んで他の藩には染めさせないようにするなど年々エスカレートし、繊細美術の江戸小紋が出来上がっていきました。

江戸中期ごろからは庶民の身の回りの物にも男女の区別なく使われるようになったようです。

「江戸小紋」という名が正式にきまったのは昭和29年のこと。文化財保護委員会が江戸時代から伝わる小紋型染めを無形文化財に指定する際、京都や金沢の多彩色の小紋染めと区別するために名付けました。それまでは漠然と「小紋型」「裃小紋」や柄名そのままに「青海波」「亀甲」「菖蒲」「七宝」などど呼んでいたようです。

「江戸小紋」は特に誰が始めたということは分かっていませんが、室町時代に狩野吉信によって描かれた「職人尽絵」にはすでにこれが見られるところから、それ以前よりあったと推測されています。「江戸小紋」の原型である「小紋型」は足利時代(1300~1500年)が起源と考えられています。また、その古典柄となると平安時代以前まで遡ることが出来ます。

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